暗号の歴史
以下に、現在までの暗号の歴史の簡単なまとめです。
(1)古くはシーザー暗号や上杉暗号などのような簡単な換字暗号が用いられてきた。
(2)コンピューターの出現により、換字暗号は数から数への変換を考える数学の問題になった。また、大きな数の計算も容易になったので、様々なタイプの換字暗号が使われるようになった。
(3)第二次世界大戦時には、ドイツの「エニグマ暗号」や日本の「紫暗号」などが用いられた。
(4)戦後は情報化社会の到来により、安全な通信を行うための研究として暗号理論が発展していった。
(5)1970年代になると、アメリカ政府が1977年に採用したDES暗号(IBM社の研究者フェイステルによる)など、高度な数学とコンピュータ技術を用いた暗号が登場した。(DES暗号は、三菱電機の松井充が「線形解読法」を用いて、1994年に世界で初めて解読に成功。)
(6)暗号の鍵を第三者に知られてもよい「公開鍵暗号」が1976年に提唱され、翌年RSA暗号が開発された。現在、インターネットにおける標準的な暗号である。
(7)最近では、「楕円曲線暗号」などの暗号も数学の理論を用いて開発された。さらに、指紋・瞳・声紋・遺伝子などが各個人により異なることをを利用した「生体認証」や、最新の物理理論を用いた「量子暗号」なども研究が進められている。